明けない夜があったとしても、夜を楽しく生きればいい
当方、ブログ名にもあるように美容師なのですが、接客業ならではの不妊あるあるについて語りたいと思います。
私の勤務する店のお客様の年齢層は、お年寄りと子供の割合がとても高いです。
若者ばかり来客するハイカラな美容室ではなく、地域密着のほのぼの系だから当然といえば当然でしょう。
あえて自らそんな店を選んだわけですから、そこに不満はありません。
ですが、治療中は色々な困難にぶち当たりました。
そんな環境であるがゆえの困難といえます。
それは以下のようなことです。
①お年寄りならではの「結婚してるの?子供はいるの?」「ほしいと思わないの?」攻撃
悪気がないのは分かっています。傷つけるつもりがないことも。
現代の若者よりも、言葉でのコミュニケーションを大切にしてきた世代の方々だと思うので、多少の違和感は仕方ないと思っています。
ですが、子供がいない=親不孝という考えの方も少なからずいるようで、何度かその議題で説教をされたことがありました。
もちろん笑顔で対応するしかないわけですが、全身が小刻みに震えていたことを覚えています。
怒りや悲しみが複雑に絡み合った心境は、どんな言葉をもってしても的確に説明することは難しいです。
②子供(特に幼児)のカットをする度に、どうしても不妊であることを思い出す
仕事ですから仕方ないんですけどね。
ちゃっちゃとカットして帰ってもらえばいいだけなんですよ。
もちろん分かっていましたよ、頭では分かっていましたけど…これもまたけっこーつらかったです。
それこそ相手はまったく悪くない…というかただ髪を切りにきただけですしね。
とはいえ、懸命に気を紛らわそうとしているのに、1日に何度も不妊であることを思い出さなくてはならないのはやはりつらかったです。
③仲良さそうな親子を目の当たりにすると、とても嫌な気持ちになる
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい(TT)
でも当時は完全なる陰キャだったので、本気で嫌でした…
治療期間が長くなればなるほど、心が荒んでいったように思います。
人は人、自分は自分だと考えていても、やはり現実を受け入れられないでいたのも事実でした。
…ん?
他にも色々あったはずなのですが、とりあえず忘れたのでこのくらいにします。
こんな感じで当時の自分を改めて振り返ってみると、思春期かっ!と問いたくなるほど繊細で敏感だったことが分かります。
それに今も完全に復活出来たわけではないですし、まだあの闇の延長線上を歩いているのは確かです。
でも今はあの頃よりもずっとラクに息が出来るし、まわりの光を疎ましく思うことも少なくなってきました。
職場について上に色々と書きましたが、こんな環境だったからこそ、私は強くなれたと思っています。
普通ならあまりすることはないであろう貴重な体験が出来たことは、自分にとって人生の財産にさえなったと思います。
私は産まれてこのかたずっと幸せだったと自負していますが、あの治療に費やした時間があってから、更に毎日幸せだなぁと思いながら生きていけてるのです。